導入事例
「労務AI」による仕組み作りと、専門家からのサポートがアキナイらしい変化を生み出す。
労務AI活用のポイント
- アキナイらしさを生かした、新しい労務の仕組み作り。
- 労務AIによる自動化で、700人の労働契約作業が最小限に。
- 店長の事務作業の負担を軽くし、接客の時間へまわす。
- 社 名:株式会社アキナイ
- 業 種:飲食店経営、企画、開発、運営、プロデュース業務
- 従業員数:520名(2017年12月末現在)
家業から事業へ転換するために労務改善が必要だった。
リーガル・リテラシーと出会ってから現在まで、労務の課題はどのように変化してきましたか?
三宅氏:リーガル・リテラシーとお付き合いを始めたころは、店の数も従業員の数も増えているのに、創業時の家業的な風土が抜けず、会社としての機能が成立していませんでした。変わらなければいけないと思いつつ、当時の僕にはそこに対する知識がなかったので、改善の手立てとなるサポート役を探し求めていたところ、リーガル・リテラシーを紹介してもらいました。
当時は離職率が高く、いかに人を定着させるかが最大の課題でしたね。リーガル・リテラシーのアドバイスを受け、まずは定期面談と個人目標の管理から始めて、それが今では会社の文化として根付いています。あの時期に店舗運営の基礎なる仕組みが作れたのは、僕の中で財産だと思っていますね。こういった取組みもあり、徐々に人が定着するようになってからは、労働時間に目を向けられるくらい余裕が出てきたので、直近の労務課題としては、労働時間の削減が第一です。
家業的な良さを活かしながらみんなで労務に取り組む。
アキナイさんは、幹部メンバーの大半が現場出身者ですが、リーガル・リテラシーが介入することに対して、幹部メンバーの反応はどうでしたか?
三宅氏:みんなも結局悩んでいた時期だったので、リーガル・リテラシーの言葉に真剣に耳を傾けていましたね。
当時自分たちが独自で行っていたことも、決して間違いではなかったと思います。ただ、僕らの常識とか価値観が少し偏っていたし、そもそも飲食業界の常識や価値観が、一般的な常識や価値観とは異なるということに気付くことが出来なかった、という反省は今になって感じますね。だからこそ、その分野の専門家と一緒に、会社の新たな常識や価値観を作り出していくことに、みんなが真剣になれたし、取り組みの浸透も早かったですよ。その頃に作り上げた昇給制度や、マトリクスはうちの会社の柱、軸になっています。
労務の専門家リーガル・リテラシーの意見をもとに、
アキナイらしさを追求する環境を構築。
会社の常識や価値観を作り出していく中で、三宅社長にとって、リーガル・リテラシーはどのような存在ですか?
三宅氏:今は信頼関係があるから、会社のみっともない部分も含めて全部オープンにできるけど、本来労務って、会社として一番見られたくないところですよね。リーガル・リテラシーとは、そういった会社の壁を乗り越えた付き合いができるのがありがたいですね。
ただ、いくら専門家の意見とはいえ、僕らが自分たちでやり通すことが前提なので、“リーガル・リテラシーに言われたままの事をやる”、“リーガル・リテラシーが認めてくれたからOK”というのは違いますよね。
アキナイの常識や価値観の中で、世の中に当てはまらない部分は当然修正していかなければいけない。けれど、アキナイらしく修正したい、アキナイらしい答えを見つけていきたい、といつも思っていて、そこをどうサポートしてもらえるか、専門家としての意見をどうもらえるか、ということが重要であって、リーガル・リテラシーもその役割りを理解してくれています。そういった理解があるからこそ、僕らも安心して自分たちらしい意見をぶつけられていますね。
本社と店舗の情報の行き違いを回避するために、客観化できる情報体制へ
2020年10月より、アルバイトの雇用契約を無期雇用から有期雇用へと切り替えましたが、取組みの経緯を教えて頂けますか?
石井氏:これは、会社の方針と僕ら事務方の意向がマッチした結果ですね。社長からは以前より、『お互いが気持ちよく仕事をするためにはルールが大切。会社はそのルールを整理し、示していかなければいけない。』という話を頂いていました。
一方、事務方としては、無期雇用だと急に来なくなった時に、それが本人の意思で辞めたのか、何か理由があって来れなくなったのか、辞めさせられたのか、が全然わからない。それがすごく気持ち悪かったんです。
そういったこともあり、契約期間を設けて契約状況を明確にしたほうのが、会社の方針にもマッチするし、事務的にもスムーズだと思ったので、僕の方から社長へ無期を有期に変えませんか、と提案させて頂きました。
“きちんと”すべきところを“きちんと”することで安心感を与える。
契約更新手続きを労務AIで自動化されていますが、アルバイトの皆さんの反応はいかがでしょうか?
石井氏:有期契約への切り替えで最も課題となったのは、大量の契約更新手続きが定期的に発生することでした。僕は、仕事を継続していただく場合も、継続しない場合も、アルバイトと会社が気持ちよい関係であり続けて欲しいし、700人の労働契約を結ぶことが大変と思うよりも、結ばないことの方が大変と思っていたので、この契約更新業務は厳密に行う必要がありました。
今回、リーガル・リテラシーの労務AIのおかげで、“手作業を最小限に抑えた楽ができる仕組み”を作ることが出来たので、今は年間のルーティーン作業の一つとして、すっかり定着していますね。
アルバイトの反応としては、元々web入力とか、ペーパーレスとかに慣れている世代なので、不満の声はなかったです。むしろ、“契約書を提示してくれるきちんとした会社”という印象になり、それが働く上での安心感に繋がっているように感じますね。
店長がお客様と料理に集中できるようにサポートするのが本社の仕事、
そのサポートツールが労務AI。
アキナイさんは、更新契約書だけでなく、新規採用時の雇用契約書も労務AIでペーパーレス化していますよね。こちらの反応はいかがでしょうか?
澤井氏:以前は、紙ベースで雇用契約書を管理していて、契約書の締結も店長へお願いしていました。今回のペーパーレス化は店長からも好評で、これだけで良いんだ、という声が上がっています。
店長には、お客様に向き合ったり、料理に向き合ったりする時間を何より大切にしてほしいので、そういった時間を確保できるように、店舗の事務作業で私たち本社ができる部分はないかな、と常に考えています。雇用契約書のペーパーレス化もその一環でした。
店舗は事務仕事に向かない環境だからこそ、手軽さが大切。
こういった新しい取組みを現場へ案内する際に、澤井さんが気をつけている事はありますか?
澤井氏:私も店舗勤務の経験があるので、何となく現場のイメージは出来ます。書類がどこかにいってしまうことも分かるし、2,3分でできる事務作業も、お客さんがいないタイミングを狙って、狭いところでパソコンを開いて、ファイルを探して、ってなると億劫だという気持ちも分かります。その一方で、本社の人間は日々パソコンを開いて作業をしているので、2,3分でできる事務作業がなぜ出来ないのか?と疑問に思う気持ちも分かります。
私は、両方の気持ちが分かることを大事にしていきたいと思っているので、現場へ案内する時も、現場の気持ちに寄り添いながら説明をするように心掛けています。また、店舗の状況や店長のキャラクターにあわせて、しっかりと固く説明をする事もあれば、イメージや感覚的に説明をするなど、同じ案件でもどういう切り口で説明していこうか、ということは意識して使い分けています。
労務AIの活用度合いも店舗によってまだまだバラつきがあるので、全店舗でフル活用できるように、引き続き現場に寄り添いながらサポートしていきたいです。
株式会社アキナイ
- 三宅茂幸代表取締役
- 鹿児島県出身。上京し株式会社BBAインターナショナルでマネジメントを学んだ後、有限会社ポジティブフードに入社。 同社で業態開発に手腕を発揮し、「博多モツ鍋焼酎酒場 もつ福」を開発。 その後独立し、2006年に株式会社アキナイを設立。現在はスペインバル、フレンチ、イタリアン、居酒屋など多数のブランドを展開している。
- 石井 信哉管理部長
- 飲⾷未経験で2018年に株式会社アキナイに入社。 これまで事務キャリアが長いことを活かし、壮年期の会社事務の課題や悩みを解決すべく事務部門の長として管理部長を任させる。 現在は、管理の視点から人事や労務に携わり、不偏的な従業員サービスとは何か、を課題に業務に従事している。
- 澤井 麻理菜営業サポート
- 飲食業界勤務を経て株式会社アキナイに入社。 これまでの現場経験を活かし、人事・採用活動に従事している。