【コラム】離職率を人事評価にいれるとおかしくなる

【コラム】離職率を人事評価にいれるとおかしくなる

 今回は、飲食店における離職率について、お話をしたいと思います。私は飲食店の店長の評価制度を構築する際に一般的な離職率を活用することをお勧めしません。というのは、離職率と店長能力は、あまりはっきりと相関性が見て取れないことが多いからです。

 離職率とは、人が辞めていく割合を示す経営指標となる物です。皆さんの会社ではどのように算出をしているでしょうか。一般的な離職率の計算方法は

年間離職率=期初日の在籍していた人の内1年間で辞めた人の人数÷期初日に在籍していた人数×100

で算出します。期初に在籍していた人のうち、辞めた人の割合が離職率ということになります。これが一般的な離職率の計算方法です。

しかし、過去のコラムを思い出してください。飲食店では、入ってすぐ辞める人が多いという飲食業界の中で、一般的な離職率の計算方法では現状をはっきりと示すことはできません。1年以上働いてきた人の離職者数の割合が多く反映されるだけです。卒業生の多い年の離職率は高くなってしまいます。私は、飲食店の離職率を算出する時には、次の式で算出します。

飲食年間離職率 = 1年間に退職した人の総数 ÷ 期初日に在籍していた人数 × 100

この計算の方が、店舗間の差ははっきりと見ることができます。しかし、それでも、やはり離職率は、店長の能力との関係ははっきりと見えないことも多いです。そこで、私がおすすめするのは初期退職率です。初期退職とは3か月以内に辞めた人とします。計算方法は、

年間初期退職率 = 3か月以内に辞めた人の総数 ÷ 年間退職者数 × 100

この数値は、退職者の中に3か月以内で辞めた人の割合をみます。

茶色の点線は、月間離職率。赤色の点線は初期退職率です。このお店では、3月にかけて離職率が高まってきていますが、1月の初期退職率も高い。おそらく、3月に大量の卒業生を抱え、事前に新規採用をおこなっていたにも関わらず、卒業生とともに、新規採用したアルバイトも退職をしていってしまっていると言えます。そして、4月以降は、新規採用された人がドンドンと退職していっていることが見て取れます。

なぜ、離職率を店長の評価に使わないか、それは、店長の能力を反映している数値とは言い切れないからです。しかし、初期退職率は、きちんとお店で受入方を作り、すぐ辞めないという仕組みの運用で改善できます。ということは、お店で受入方をきちんとやったかどうかで数値が変わる。この数値であれば、評価制度における評価の指標として活用することができます。人を辞めさせることなく、お店に定着をさせていくということは会社にとって大きな貢献だからこそ、評価の項目に入れていくことはとても価値があると同時に納得感も高い評価となります。(株式会社 リーガル・リテラシー 黒部得善)

㈱リーガル・リテラシーでは、初期退職率を随時算出する「勤怠データのアウトソーシング」から、初期退職の防止のお手伝いまで、サポートさせていただきます。ご興味ある方はぜひお問合せください。

 

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